『椎間板ヘルニア』
と診断されたことはありますか?
椎間板とは背骨(椎骨)の一個一個の関節の間にあるクッションの役割をもった組織のことを言います。
なので首にもありますし、背中にもありますし、腰にもあります。
今回は椎椎間板ヘルニアについて詳しく解説していきたいと思います。
椎間板ヘルニアでやってはいけないこと
椎間板ヘルニアでやってはいけないことは、頚椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアで多少異なってきます。
【頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと】
・コンタクトスポーツをする
・猫背や姿勢の悪い座り方になる
・首に負担がかかる動作をしてしまう
・バイクや自転車などで転倒する
【腰椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと】
・長期間の安静
・前傾姿勢で物を持つ
・喫煙をする
それぞれ解説していきます。
頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと
コンタクトスポーツをする
スポーツにも様々な種類がありますが、体がぶつかる競技をすることは避けた方が良いです。頚椎椎間板ヘルニアが診断されている状態で、コンタクトスポーツを行うと、首に対して衝撃が加わり、神経を更に傷つけてしまう可能性があります。衝撃により、頚椎椎間板ヘルニアが更に悪化し、手や足の痺れが増加する可能性があります。
猫背や姿勢の悪い座り方になる
猫背の状態や姿勢が悪い座り方でいると、首は自然と曲がった状態になりやすくなります。
頚椎椎間板ヘルニアは、首が曲がった状態になってしまうと、変形した椎間板が更に変形してしまうストレスがかかります。そのため、首がまっすぐの状態になるように姿勢に気を付ける必要があります。姿勢に気を付ける時のポイントは、全身の姿勢を意識するということです。首だけを伸ばそうとしても、なかなか難しいものです。猫背になってしまったり、腰が曲がってしまったりすると、その影響が首にまで波及します。首を良い状態に保つためには、全身の姿勢の管理が必要になってきます。
首に負担がかかる動作をしてしまう
頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板の形が変形しています。首が曲がると、椎間板を更に潰すようなストレスがかかり、ヘルニアを悪化させてしまう可能性があります。そのため、首を過度に曲げるような動作を避けたり、首に圧がかかるような動作を避けたりする必要があります。
バイクや自転車などで転倒する
転倒は、首に強い衝撃を与えてしまいます。若い人であれば、歩いていて転倒する可能性は低いと思いますが、バイクや自転車での転倒にも気をつける必要があります。特に最近は、ロードバイクやクロスバイクなど、タイヤが細い自転車に乗っている人も増えています。通常の自転車と比べると、スピードが出やすく、転倒しやすい傾向があります。バイクや自転車での転倒は衝撃が強いため、首に与える影響が大きいです。通勤や通学で、自転車やバイクを利用される方は注意が必要です。
腰椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと
長期間の安静
腰のヘルニアの方にありがちなこととして、腰痛が出てしまうので安静にしてしまう傾向があります。腰痛の治療として、安静は推奨されていません。安静にすることにより、全身的に筋力が落ちてしまい、更に腰に負担がかかりやすい体になってしまいます。
痛みの範囲内で、通常の生活をできる限り行なっていくことが必要です。痛みが出始めてすぐは安静にしていてもいいですが、せいぜい3日程度です。安静期間が1週間となると、長すぎます。痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動き始めるようにしましょう。もし、数日経過しても痛みが強くて動けない場合は、腰椎椎間板ヘルニア以外の可能性も考えられます。その場合は、医師に相談してみてください。
前傾姿勢で物を持つ
椎間板にかかる圧力は、背骨の曲がり具合で決まってきます。もっとも悪い状態は、腰が曲がった状態で物を持ち上げる時です。腰は、少し反った状態が正常とされています。研究では、少し腰が曲がった状態では、椎間板にかかる圧力が増加してしまうとされています。椎間板ヘルニアの重症例の方を調査した研究では、腰の反り返りが減少しており、骨盤が後ろに倒れている傾向が強かったとされています。
物を持ち上げる時のポイントとして、足をしっかりと曲げて、腰を少しそらせるようにして持ち上げると、椎間板に対するストレスが少ないことが研究で明らかにされています。
喫煙をする
喫煙も、椎間板に対して悪い影響を与えてしまいます。ラットを使った実験ではありますが、喫煙が炎症物質を増加させ、椎間板が悪い状態になっていったことが明らかにされています。ヘルニアの再発率も、喫煙者で多いことがわかっています。なかなか禁煙は難しいかもしれませんが、ヘルニアの悪化を防ぐために、禁煙を心がけてみましょう。
腰椎椎間板症に必要な安静期間はどのくらい?
軽度の症状の場合、安静に最適な期間は通常2日間から2週間です。
安静に必要な期間は、軽度から重度の症状によって当然変わります。
保存療法では、椎間板のグレードによっておおよその目安があります。
また手術療法には、術式によって安静期間が異なります。
重度の場合は専門の医師に安静期間を相談することをオススメします。
腰椎椎間板ヘルニアの治療にはリハビリが有効!
腰椎椎間板ヘルニアのリハビリには、保存的療法と手術後に行うリハビリがあり、「運動療法」と「物理療法」を用いります。
運動療法は、その名のとおり体を動かすリハビリです。
体を動かすといっても激しい運動をするのではなく、筋肉をほぐし、体を支えるための体幹(腹筋・背筋)を鍛えるためのストレッチから始めます。
次に、物理療法と呼ばれる方法です。
電気療法や温熱療法などを用いて血行を良くし、固まった筋肉を和らげてリハビリの効果を高めてくれます。
但し、発症してから3日間は絶対安静で、その間は炎症している患部を冷やします。
医師の診察内容や指示をもとに、理学療法士と二人三脚で、運動療法・物理療法を繰り返すことで症状を緩和させます。
ただし、痛みがある場合は安静にし、コルセットを着用するなどして、腰に負担を与えないようリハビリを行います。
※立っていられないような激痛や排尿障害などが起きた場合には、すぐに専門医の診察を受けてください。
【保存的治療のリハビリ】
腰椎椎間板ヘルニアは姿勢の悪さや筋力低下により、椎間板に負荷がかかり発生する疾患です。
症状進行の抑止や手術後の再発防止には、下半身を中心としたリハビリによって姿勢の改善、筋力トレーニングを行うことが効果的です。
飛び出した椎間板は、正しい姿勢をキープし、過剰な圧力をかけずにいると元の位置に収まろうとすることも珍しくありません。
もちろん完全に元の位置へ戻すには手術が必要となりますが、軽度のうちにリハビリを開始することで、日常生活なら特に問題なく過ごせる程度まで自然治癒するケースも多いのが実情です。
リハビリを継続して体幹・筋力を鍛え、多少の負担にも耐えることのできる身体づくりをすることが大切です。
【手術後のリハビリ】
ヘルニアの手術は、痛みやしびれを改善するための「現状の悪いところを治す」ことが第一の目的であり、再発につながるリスク(筋力低下など)へは直接働きかけることができません。
筋力がなく腰(椎間板)に強い力が加われば、再発してしまうこともあります。
また、手術後安静にしているとさらに筋力が低下する可能性もあり、手術部の痛みがおさまり身体を動かせるようになったら、出来るだけ早く始めることが良いでしょう。
ヘルニアが進行し手術が必要となった場合は、術後のリハビリをしっかり継続して行うことが重要なポイントとなり、単に術後のリハビリとしてとらえず、筋力維持の観点からも、痛みが軽くなったからといって自己判断でリハビリを中断することのないよう気を付けましょう。
以上が椎間板ヘルニアの解説になります!
最後にお伝えしたいことは、腰痛の原因が必ずしもヘルニアとは限りません。たとえヘルニアと診断されても痛みの原因は様々なので、ヘルニアを治すだけしか方法がない訳ではないので、整体や整骨院などで体を整える方法も視野に入れて治していくことをお勧めさせていただきます。